鴉の休日 ／ライリー・オリオトライ [ 西京SS Side ]

◆ライリー・オリオトライ◆
◆◆お借りしています◆◆千為さん宅：比良坂絹子さん◆◆

ふりつもるもの／ラージュ、三峯泰央 【第陸回公式イベント：SS】 [ 西京SS main ]

◆◆ラージュエルバ◆◆
◆◆三峯泰央◆◆

▼第陸回公式イベント『東京PROJECT』前日譚。


　さらさら。さらさら。

　零れ落ちる砂時計のように、静かに確かに降り積もりゆく奇跡があるのです。

　砂が溜まればさかさに返し。

　さらさら、さらさらと流れる様子を見つめながら、これが予期せぬことで倒れても割れても、重なる奇跡は確かなものだと想うのです。

　何かが起きればそこで終わり、砂が降りきればそこで終わる。確かなのは『それ』が『ここ』に在ったという事実。何にも揺るがず変わることなき不変の奇跡。


　ラージュは店奥の花園から、店先の売り場へと脚を向けた。細々とよく働く三峯が、客から注文を受けたのだろう、無骨な外見に似合わぬ愛らしい花束を作っている。
　彼のおかげで店は順調に運営できている。やくざ者な外見も魑魅魍魎が跋扈する西京においてはさほど目立つものではない。
　…ひたむきで、真面目。
　恩を返すという言葉そのままに、三峯は働き、ラージュの花は人々の元へ売られてゆく。
　…それは、
「ねえ、ヤス」
　ラージュは彼の絶望と願いを知っている。叶わぬ遠さと切なさも。
「貴方、…もし願いが叶うなら」
　三峯はラージュへ振り向いた。どないしましたお嬢、問いにラージュは答えない。

　――私の話が終わってないわ。
「貴方の道を行きなさい」

　……いかに情報を与えぬよう戸口を閉めたところで隙間は生まれるもの。
　噂はひととひとの間を流れるもの。
　『行方知れず』『神隠しか』…日常を送っていようが花園へ引きこもっていようが聞こえてくる雑音のなか、不自然に似たものが増えてきているのだ。
　もしかしたら。ここ以上に、危険な場所へ迷い込むとしても。

「ヤス」
　道言うてもなんのことやら。そう問いたげな三峯をまっすぐに見上げた。
「後ろなんて振り返ったら縛り上げてやるわよ」
「なしてさっきから、そげん意味わからん事ばかり言いよるんねお嬢…」

　…今は分からないでしょうけれどね。
　ラージュは三峯を放って店奥、花園へと戻る。咲き乱れる四季の花たちの中心に、痩せた蕾の青薔薇が一輪、力なく項垂れていた。
「……もし貴方がいなくなったら」
　かつて瀕死の三峯を助け、癒す為に繋げたものがある。…それは、彼と自分の魂だ。
「この花は枯れてしまうのかしら」

　青薔薇の花言葉は、奇跡。

「……いえ、花はただ、望まれるままに咲くだけね」
　忘れてはいけないわね。
　痩せた蕾を愛しげに撫でながら、ラージュはそっと目を閉じた。

take a rest ／ 汜柳煉太朗、三峯泰央 [ 西京SS main ]

◆◆汜柳煉太朗◆◆
◆◆三峯泰央◆◆

【西京PROJECT】 汜柳煉太朗 [ キャラストック ]

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■名前：　汜柳　煉太朗　(しりゅう　れんたろう)
■年齢：　42歳
■性別：　男
■身長：　178cm
■種族：　蛟の末裔
■能力：　-眠る盃-
　　　　対象を『冷たい湖の底にいる』と錯覚させ、静かな停滞を与える。
　　　　短時間ならば仮死状態。
　　　　長時間ならば死に至らしめるが、対象の生命力・精神力が術者より強い場合は眠らせる程度。　　　
■能力値：　異能耐久力／15　異能出力／25　体術／5　体力／25　社交性／20　知能／25
■誕生日：　3月7日(アクロアイト：透明／オキナグサ：何も求めない)
■etc：　常に困ったような笑みを浮かべており、穏やかで温厚な性格の科学技術者。
　　　　異星の技術、ロボット工学に関心を持ち、研究・開発に従事している。
　　　　20代半ば頃とある『事故』に遭い妻子を亡くしており、その際に妖怪としての能力に覚醒。
　　　　今でも『湖に沈んだ』妻子の遺体が見つかるようにと、願をかけ髪を伸ばしている。

　　　　趣味はピアノ演奏。好物は珈琲、煙草、生卵(丸呑み派)。

■etc2：妻子との旅行中、道に迷い、湖近くにひっそりと在った集落の人々に助けを求めた。
　　　人々は歓迎した。
　　　湖に生贄を捧げる儀式の日に馬鹿な旅人が迷い込んだためである。
　　　集落の人々は汜柳と妻子を縄で縛り、重しを着けた上で湖に投げ込んだ。しかし湖に棲んでいた低級のものよりも汜柳の力が強く、覚醒した汜柳は湖の物の怪ごと妻子を喰らう。

　　　当時の記憶は汜柳には無く、今も妻子は湖の底に眠っていると思っている。

【西京PROJECT】 刀夜＆遥親 [ キャラストック ]

※クリックで原寸サイズ（※※かなり大きいです）


■名前：　刀夜　(とうや)
■年齢：　(外見) 20歳
■性別：　男
■身長：　185cm (遥親：200cm)
■種族：　異種合成宇宙人(外見は人間型)
■能力：　-影狼・遥親-
　　　　刀夜の影に棲むモノ。
　　　　狼と青年、二つの姿を持つ。
　　　　宿主である刀夜とは二、三日ほど離れて単独活動できるようだが、活動限界に気づかず倒れることもしばしば。
■能力値：　異能耐久力／20　異能出力／20　体術／20　体力／20　社交性／20　知能／20
■誕生日：　不明
■etc：　ある宇宙人に誘拐され、人体解剖や実験の披験体だった過去を持つ。
　　　　同時期に攫われた被験者と狼の合成実験で逃亡できるほどの力を得たが、度重なる実験の代償として『喜』以外の感情を総て喪っている。
　　　　阿呆で楽天的な言動はまさに道化。
　　　　内面は自己嫌悪と後悔に満ちている。

　　　　優れた嗅覚とセンスを持っており、精神・肉体に作用する『香』の調合が得意。
　　　　剛犬組に所属。安アパートの一室にて香堂『天香』をひっそり開業。